カイゼン前の状況

 

乱雑な印象がまず飛び込んでくるため、お客様にとって、どこになにがあるか?(自分の目的はどこに行けばよいか?)が分かり難い。また企業イメージが、この環境からまったく感じられない。お客様に問いかけられる頻度が多いほど、窓口業務の仕事が増えてしまう。

細部よりも全体を優先

 

既存のコンクリート壁、よくあるベージュのオフィス用ロッカー…全部そのまま使ってます。ただし、色を塗り替えて。。多くの日本人の場合、小さなキズ・汚れ・へこみ等々ディティールを気にする人が多いのですが、住宅ならともかく、オフィスにおいてはほとんど問題とはいえません。


目的にもよりますが…ビジュアルを考えるとき、細部よりも全体を優先し総合的な判断をすることが、
高いコストパフォーマンスをうみだします。例えば人間の第一印象はその人の身に着けているボタンやベルトではなく、全体的な雰囲気が強く残りますね。印象というのは瞬間的なものですから、強く打ち出されているものが残像として残るのです。


NTT蒲郡


OA機器をたくさん使う空間ですから、モニターへの影響を考え、基本的に間接照明になっています。デスク等の表面は、先々の使用方法でのフレキシブル性を考え、すべてシート貼りです。机上のモニター隠しなど、すべて無駄のないようサインとして表現しています。バックヤードの既存の壁や、オフィス用ロッカーは、近くで見るとボコボコ凹凸が有ったりしますが、直接ペンキで塗装するだけで、全体の中の見え方としては十分でした。エアコン設備なども、天井を下げるなどして、既存のものをデザインの中へ取り込んでしまいました。

カイゼン前

カイゼン後


撮影:千葉真弓

NTT安城


上とまったく同じデザインコンセプトの元、違う場所につくったものです。もちろん違いは随分有るのですが、違うかたちの空間でも全体の印象は同じになる様考えています。同一地域に、同じ印象の展開をする為のデザインの結果です。

撮影:千葉真弓