心に響かないコト、心に残るコト、心に訴えるコト

数日前、一人でファミリーレストランへ行った時のこと。

帰りにレジで支払を終えると・・・

 

「ありがとうございました!またお越しくださいませ!」

 

すると・・・(こだまのようにアチラコチラから)

 

     「ありがとうございました!またお越しくださいませ!」

            「ありがとうございました!またお越しくださいませ!」

  「ありがとうございました!またお越しくださいませ!」

 

と、響いた。。全部、違う声だったので、違う人でしょう。

奥を覗いてみると、誰も私のことは見ていない。

それぞれが、自分の目の前のやるべき事を淡々とマジメ?にこなしている。

私など、どうでもいい“ただの客”であるのだろうが、ちょっと寂しい気持ちもする。

 

私が言うまでもなく、昔からよく言われることだが、

これは、厳格なマニュアル教育の弊害であると言える。

マクドナルドで、ハンバーガーを大量に注文しても、

「コチラでお召し上がりですか?」と言われて、オレは馬じゃないと思った・・・

という笑い話がありますが、

どうせ教育するなら、もう少し視点を変えて欲しいといつも思う。

 

しかしコレを言うと、スタッフの数が多くなるとしょうがない。

という言葉をよく聞く。本当にそうだろうか?

 

どうせマニュアル化して厳格に実行するならば、

「お客様の目を見て、笑顔をつくること!」ここから始めて欲しいと思う。

 

4~5人の人に、まったく心に無いような言葉をもらうより、

たった一人で構わないので、

目をみて笑顔で 「ぜひまたお越しください」 と言われたほうが、

心に残って・・・また行きたいとリピーターになるのは、私だけでは無いはずだ。

 

そして、何度行っても何度会っても、初めてのような素振りをされるより、

何度か目には、笑顔で 「コンニチハ」 と言われたほうが嬉しい。

(これは、マニュアルとしては次のステップになるが・・・)

 

こういう話も、問題が(クレーム等)起きるよりも統一したほうが良いと言われる。

店にとっては、逃げでもある。

誰に対しても全く同じなら、どんな言い訳も出来るからだ。

そして、ファミレス程度でそのような対応は出来なくて、

それを求めるお客様はもっと高級な店に行く。。という話にもなる。

 

競合他社と、どこで違いを出すか?それぞれの戦略の違いである。

しかし私が関わった仕事では・・・

ほとんどの組織が、目標と目的をまったく整理していない。

 

売上を伸ばしたり利益を出すことが目標なのは、世界中の会社にとってアタリマエのコト!

そうじゃなければ、会社は存続できません。どの会社にも、まず違いなんてありません。

それでは、なぜその利益や売上が必要か?

何のために?誰のために?前より今は売らなければならないのか?

 

マネージャーに聞きます・・・その目標、どうやって達成するんですか?

「ガンバリますよ!」「だいたいうちの現場は、元々皆甘いんですよ!」

などという、おどろくような答えが帰ってきます。

(実は、たいてい同じような答えなので、驚かないのですが・・・)(笑)

 

じゃあ、いままで甘かった現場が、明日から突然倍も働くようになるのでしょうか?

ムチでも用意して、スパルタ教育でしょうかね。(笑)

 

このように、目標額などを提示することで社員が働くようになるという、

大きな勘違いが当たり前のようにまかり通っています。

人間のモチベーションは、昔から普遍的で、そんなことでは上がりません。

装備や数で大きく上回っていながら、

ギリシャに押し戻されたイタリア軍のようなものです。

(いくさは専門じゃないので、例えが間違っていたらスミマセン)

 

また経営者に聞きます・・・社長がベンツやポルシェに乗るためですか?

社長がベンツやポルシェ乗るために、社員も働いて、お客様からもお金を頂戴する?

 

もちろんそんな会社は長続きしませんが、

たとえファミレスであっても

(誤解のないように・・・私はファミレスはカジュアルで好きです)

もっと違った 「なぜ」 の視点から、

ブランディングを考えた教育をしても良いのではないかと思う。

長期に渡って利益を上げる会社は、何に頑張るのか?

どうして高いモチベーションで頑張れるのか?

 

いろいろと、会社を外から見させて頂くほど、

人は捨てたもんじゃないな・・・とあらためて思います。

 

なお、ファミレス関係者の方、勝手にたとえに使わせて頂きましてスミマセン。