小さいながらちょっとシャレた感じの自転車店がある。
時々前を通ると、なにやらマニアックな感じの人たちがたむろしていて、
マニアックな自転車が店の前に数々置いてある。
店頭には、「他店で買った自転車も整備します」と書いてあり、
マニアックな閉鎖感はいなめないものの、その言葉には多少なりとも安心感と入りやすさを感じていた。
ある時私の自転車のタイヤに、空気をいくら入れても抜けるようになってしまった・・・
よし、、っとその自転車店へ行って相談する。
見て頂くと、空気を入れる所の「ムシゴム(確かそういったと思う?)がダメなんですよ。」
そう言って、タイヤの空気を入れる所の金具をはずし、
慣れた手つきで、長いゴムを新たにカットして、金具に取り付けてくれた。
「これでもう大丈夫ですよ。(ニコニコ)」っとあっという間に直してくれた。
値段を聞くと、「100円でいいですよ」と言われ、何か非常に安い気持ちがして、
店内をグルっと見渡しながら・・・
色々売ってるじゃないか!コレもあれもココにあるな~などなど・・・
そして
「(いい店だな~)(いい人だな~)」と、心の中でまた“単純に”(笑)つぶやいてしまった。
それからしばらくして、
別の自転車(ちなみにもらいモノの自転車を数台持っている)が同じ症状になった。
ちょうどみな古くなっちゃったかな?と思いながら、
「ムシゴム?だろ」と知ったかぶりで金具をはずして見ると、やはりそのようだ。
また同じ自転車店へさっそうと向かった。
私は自分で金具をはずし、
「スミマセン、コレ、ダメになっちゃったみたいなんですけど!」
「はい。」と無愛想な前と違うスタッフ?。
無言で以前と同じようにゴムを出すと、金具に合わせて以前と同じようにカットした。
私はもう知っているので、(そうそう)と心でつぶやきながら見ていた。
すると・・・なんと・・・
「はいどうぞ、100円です!」と、
バラバラなものを手渡されてしまった。
え、と一瞬ためらったが、こちらも小銭入れから100円を出すと、
ハイと言って無表情にお金を渡して店を出た。
おわかりだと思いますが、
“前”が無ければ、恐らく私は何も思わなかったかもしれない。
そんな小さなモノの事、そんなものだと思うか?または何も思わない程度であろう。
そういう意味では、
後のスタッフが普通なのであって、前のスタッフは、
たった100円の仕事で、後に他のグッツや自転車本体の購入に結び付けられる人であろう。
しかしながら、お店単位で見た場合、
前のスタッフが優秀だったために、かえって印象を悪くするという矛盾?を招いた。
同じようなことは、あちらこちらで体験する。みなさんも同じだと思う。
ココは、非常に重要なポイントであり、
どうやって、こういった事を無くすか?又はどこに落とし所を持って行くべきなのか?
人の問題は、経営者には常に頭が痛い問題かもしれなが・・・
システムとは対極に考えられがちな「人間臭さ」コレが逆説的に合理性を生む事も多い。
(そのあたりはあらためて書きたいと思います)
広告・DM・サービス・その他もろもろ・・・
商行為には常に何かのメッセージを発信する必要がついてまわる。
言ってみれば、「やる時はやる!」ではダメなのである。
あえて言うならば、「やったらやり続ける!」「やらないことはやらない!」
というような明確なメッセージ(わかりやすさ等)が、受け手に対しては必要だ。
そして・・・最もいけないこと、
それは・・・やったりやらなかったり。。。
顧客は誰でも、「自分が誰より一番のサービスを受けている」と思いたい。
まして差別?なんて絶対にイヤなのだ!