誰もがお客様か?

誰もがお客様になってくれるのか?

 

 答えは「NO!」である。

 

すべての人が自分のお客様になってくれたら…

事業をやっていれば、誰でもがそう願いたいところであるが当然それは無理な話である。

 

私は、現実にはこう言葉を変えたい。

 

 うちのお客様は誰なのか?

 

これを売りたい! ではなく これが売れる!

 

というのが基本的な事でありますが、

企業の方とディスカッションをすると…

なぜか皆さん、、、

こうしたい!こう売りたい!こう見せたい! etc...

という話が多くなります。

 

当たり前のことなのですが、

こうしてほしいと思っている!これが売れる!こう見える! etc...

ということを前提にしなければいけないのであります。

 

こうしたい!等々といった「思い入れ」の話はカッコいいのですが、

売れないもの・サービスは、趣味でやる以外は続かない。

 

しかし「思い入れ」、がしっかりとした「コンセプト」として成立すれば話はまったく別です。

成立するとは、前述のように“お客様の視点に立つ”事でつくられたものであることが前提です。

多くの場合、そのあたりが微妙にズレていることを感じます。

話し込んでいくと、結局、自分達(側)からの「思い入れ」がとっても多いのです。

 

 

成立するコンセプト、それには・・・

 

ターゲットを徹底して明確にする!

そのターゲットで商売になるのか?を徹底して考えてみる!

(あたりまえだ!と言われそうですが、以外にここがしっかりしていないケースが多い。)

(調査も必要ですが、数字だけだと新しい分野の商売は判断出来ません。)

(数字をどこまで入れるかは、ケースバイケースということになります。)

 

これをサービスを受ける側の視点で考えてみる。

このあたりが不明確な場合、後々いろいろな意味でブレブレという感じになり、

うまくいかなくなった時に、不安ばかりが先立ち、どこへ戻ればいいのかわからなくなります。

核になるもの、戻る場所があるか無いかは、いざというときの精神状態がまったく違ってきます。

 

 

ターゲットが明確になれば・・・

大きなコンセプトづくりは、それによって必要な肉付けをしていけば良いのです。

 

このあたりは、10年前と今では明らかに違います。

10年前、すでに世の中は多様化していると言われていましたが、

今はその多様化した「個々が」さらに多様化したと言っていいほど面白い?難しい?

世の中になっています。仕事を通じて明らかにそう感じます。

 

そうなると、、、

あいまいなターゲットの設定では、誰から見ても中途半端なものになり、

「それなら他にもあるから…」となってしまうのです。

いまは明確な主張が無ければ、この情報過多の世に埋没してしまいます。

ちなみに、主張がまったく無い主張というのもあるのですが。(笑)

…ややこしくなりますので、いまその話はヤメましょう。

 

 

私が尊敬し、大学の先輩でもある橋本保雄氏。

元ホテルオークラの副社長で、ホテル業界はもちろん、

サービスについての数々の著書もありますので、ご存知の方が多いと思います。

彼からこんな話を聞いたことがあります。

 

ある時、リムジンに乗って(オークラの)スイートルームを予約したお客様がいらっしゃった。

もちろん丁重なおもてなしをして、滞在していただいた。

しかし滞在中、ああでもないこうでもないと…ホテルにクレームばかりをつける。

そのお客さまは、「日本一のサービスというのがオークラだろ!」

ということを度々おっしゃったそうです。

 

(私はどうなるのだろうと続きに耳を傾けました。)

 

あまりにクレームが多いので、

橋本氏は「あなたはうちのお客さまではありませんので、引き取ってください。」

と、激怒するお客さまに対して、毅然とした態度でホテルを出て頂いたそうです。

 

この話には思わずひざをたたきました!

さすが、、、自分達のお客様が誰か?明確だからこそ出来ることだと思いました。

私はその話だけでも、ホテルオークラのファンになってしまうと思いました。